銘柄










コンビニからの帰り道。


「あ、すみませ――」


ドン、とぶつかってしまった相手に咄嗟に謝罪の言葉を向ける私。

この週から私は、少しの間あの公園に行くことを控えようとしていた。






だって、勇気が無いから。

"あの箱"を残したお兄さんの感情なんて私には想像も付かなくて、もしも面と向かって恐れるような言葉を向けられたらと思うと――、




恐くて、堪らないから。






相手の顔を碌に確認せずその場を立ち去ろうとすれば、「コイツじゃん?」なんて言葉を耳にして振り返ることに。

「、………?」


睨むように此方へと視線を向けていたのは、派手な風貌の女の子三人だった。









暫く間抜けとも取れる様相で其処に佇んでいた私を見たその子たちは、


「――…ちょっとさ、付いて来てくんない?」


心底蔑するような眼で鋭い視線を携えたまま、腕を組んで低い声音で言葉を落とす。








喉奥がカラリと渇く感覚と、身体の芯から底冷えするような感覚に襲われた。







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