「君が好き」なんて言えないよ
☆☆☆
「航。今日の部活、自由参加だけどどうする?」
「今日は家の手伝いしないとだから…ごめん。部長にも伝えといて」
「りょーかい!」
本当は部活に行こうと思ったけど…こんな気持ちじゃ絶対集中できない。
「水野くん!」
名前を呼ばれて振り返ると、クラスメイトの女子が上目遣いでオレを見ていた。
「なに?」
「じ、時間ある?」
「少しなら…」
「あ、あの…話したいことあるから移動してもいい?」
「うん」
オレたちは普段使わない階段の踊り場に移動した。
「話ってなに?」
「わ、私…ずっと、水野くんのこと気になってて、それで…今日はバレンタインだから、マフィンを作ってみたの。よかったら、受け取ってください!」
オレのために作ってくれて……
それを分かった上で断ったらすごく嫌な奴だけど、でも……
「ありがとう。その気持ちだけで嬉しい。だから…」
顔を上げた彼女は今にも泣き出しそうだった。
もし今目の前にいるのが暮沢さんだったら……素直に受け取っていたのに。
そんなことを思ってしまうオレは最低?
「ご、ごめん」
「……陽菜ちゃんだったら、受け取った?」
「え?」
「陽菜ちゃんが作ったお菓子だったら、笑顔で受け取るんでしょ?」
なにも答えないオレに、彼女は悲しそうに笑った。
「一生懸命作ったのには変わりないんだけどな……やっぱりそうなんだ。時間取らせちゃってごめんね」
パタパタと彼女は小走りで去って行った。
悪いこと、しちゃったかな……?
「航。今日の部活、自由参加だけどどうする?」
「今日は家の手伝いしないとだから…ごめん。部長にも伝えといて」
「りょーかい!」
本当は部活に行こうと思ったけど…こんな気持ちじゃ絶対集中できない。
「水野くん!」
名前を呼ばれて振り返ると、クラスメイトの女子が上目遣いでオレを見ていた。
「なに?」
「じ、時間ある?」
「少しなら…」
「あ、あの…話したいことあるから移動してもいい?」
「うん」
オレたちは普段使わない階段の踊り場に移動した。
「話ってなに?」
「わ、私…ずっと、水野くんのこと気になってて、それで…今日はバレンタインだから、マフィンを作ってみたの。よかったら、受け取ってください!」
オレのために作ってくれて……
それを分かった上で断ったらすごく嫌な奴だけど、でも……
「ありがとう。その気持ちだけで嬉しい。だから…」
顔を上げた彼女は今にも泣き出しそうだった。
もし今目の前にいるのが暮沢さんだったら……素直に受け取っていたのに。
そんなことを思ってしまうオレは最低?
「ご、ごめん」
「……陽菜ちゃんだったら、受け取った?」
「え?」
「陽菜ちゃんが作ったお菓子だったら、笑顔で受け取るんでしょ?」
なにも答えないオレに、彼女は悲しそうに笑った。
「一生懸命作ったのには変わりないんだけどな……やっぱりそうなんだ。時間取らせちゃってごめんね」
パタパタと彼女は小走りで去って行った。
悪いこと、しちゃったかな……?