人間消去サイト2
新しい家に来て1週間。
私たち2人は、家に閉じこった生活をしていた。
でも、お母さんは変わってしまった。
お酒や煙草を始めるようになって、気に入らないことやイライラしたときに私を叩いたり蹴ったりした。
時には、『お仕置き』と称して火がついてる煙草を押し付けられたりもした。
お母さんとこの家に来た時、ある約束をした。
外は危ないから。
外には怖いものがたくさんあるから。
外に出ては行けない。
そうお母さんと約束したけど。
でも、私は外のことを知りたかった。
だから外に出て小さなお花を詰んできた。
お母さんが元気になってくれるように、またあの時の優しいお母さんに戻ってきてほしいって。
でも、お母さんに怒鳴られてお花をぐしゃぐしゃにされた。
「なんで!?なんで、約束が守れないの!?」
「ごめんなさい。ごめんなさいお母さん。」
「もう、全部嫌だ!あの人のこともアンタのことも!」
泣きじゃくりながらその場に崩れ落ちる。
お母さんは、何人もいるみたいだった。
優しい人、泣いてる人、怒ってる人。
「もう、いらない。来なさい三四。」
「え・・・・・・?」
腕を掴まれ、突然降り始めた雨の中を歩いて行った。
空が黒い雲に覆われて夜みたいに暗い。
通ったことの無い知らない場所。
「お母さん・・・・・・。」
「ここ、どこ?」
そう言いかけようとした時、バシッと音がして左頬を叩かれた。
「もう、アンタなんかいらない。ここにずっといなさい!」
「待って!お母さんっ!!」
行ってしまう背中を追いかける。
すると、お母さんはクルッと向けると私に向かって言った。
「アンタなんか産まなきゃ良かった。バイバイ三四。」
(お母さん・・・・・・。なんで?)