人間消去サイト2
連れて来られたのは、お金持ちの人が住んでいそうな古い洋館だった。
私は、大きなテーブルがある広い部屋へと案内された。
「さぁ、どうぞ〜。」
「ありがとう。」
運ばれてきたココアを一口飲む。
甘い香りが口いっぱいに広がる。
身体がポカポカしてきて暖かい気持ちになる。
「美味しい!!」
「良かった〜。それ、私の手作りなんだよ!」
「へぇ〜おねーちゃん凄〜い!」
「ねぇ、三四ちゃん。どうしてあんな所にいたの?」
「・・・・・・・・。」
私は、飲みかけのココアを置いた。
「あのね、私、お母さんに捨てられちゃったの。私が悪い子だから。」
「詳しく聞かせてもらっても良い?」
私は、おねーちゃんに今までのことを話した。
「そっか・・・・・・。辛かったね。」
「うん・・・・・・。」
「ねぇ、三四ちゃん。これあげる!」
おねーちゃんに渡されたのは、黄色い水玉模様の包み紙に入った飴玉だった。
「飴・・・・・?」
「これ食べるとね、幸せな気持ちになるの!嫌なことも辛いことも忘れられるような。」
「わぁ〜!じゃあ、いただきま〜す!」
口に入れた瞬間、甘い香りが広がった。
(美味しい!)
その瞬間、私の記憶は消えた。
お母さんのこともしーちゃんのことも。
全て忘れてしまったのです。