人間消去サイト2
「ねぇ、アレ蛭子さんじゃない?」
「うわぁー。今日も一段と暗いな~。目合わせないようにしないと。」
声のする方を見ると、そこにはベンチに座ってオカルトの本を読んでいる女の子がいた。
同じクラスの蛭子美影(ひるこみかげ)ちゃん。
最近、転校してきた子なんだけど黒い髪と暗い雰囲気のせいで、影では「魔女」って言われて皆から避けられてる。
(蛭子さんも、もっと皆の輪の中に入って行けたらなぁ。)
なにか、いい方法ないかなぁ~。
「そうだ!」
「へ?千秋?」
私は、チョコを抱きかかえて蛭子さんの所へ走っていった。
「あの!蛭子さん!」
「な、何?」
急に来た私達を見て、蛭子さんは驚いた表情をした。
「チョコのこと、撫でてあげて!」
「ワン!」
(お~!チョコ、めちゃくちゃ尻尾振ってる!さぁ、蛭子さんもこの可愛さに惹かれて撫でてくれるハズ!)
「私、いい・・・・・・。」
「あ!蛭子さん!」
そう言うと、蛭子さんは走り去ってしまった。
「行っちゃた・・・・・・。」
「千秋~!また、蛭子さんのこと気にしてたの?」
「あんな子にまで声かけるなんていい子だね~。あ、もちろんチョコも!」
「ワン!ワン!」