人間消去サイト2
引きずり込まれた先は、学校の廊下だった。
「え・・・。廊下・・・・・・?」
カタ・・・カタ・・・カタ・・・カタ・・・。
暗闇の廊下の方から足音が聞こえてくる。
今まで聞いた事がない音。
これは、一体何?
足音が近づいてきて、私は振り返った。
そこにいたのは、理科室に置いてあるハズの骸骨。
私を追いかけて走ってきたのだ。
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私は、一目散に走り出す。
骸骨は、だんだんと速度を速めて近づこうとしている。
私は、慌てて家庭科室に逃げ込んだ。
扉を閉め、骸骨の足音が遠ざかるのを待つ。
「ハァハァ・・・・・ハァハァ・・・・・。」
気づかれないように手で口を塞ぐ。
骸骨が通り過ぎ、足音が遠ざかる。
(行った・・・・・・みたいね。)
ホッ・・・・。
ホッとしたのもつかの間、ふと前を向くと家庭科室にある包丁やフライパンなどの調理器具が宙に浮いていたのだ。
「ーーー!!」
すると、私の存在に気づいた器具達は、刃先を向け襲ってきた。
「キャーーー!!」
必死に逃げまとっても追いかけてくる器具達。
包丁が当たり、私の頬に傷を作る。
「ッ・・・・・・!」
(早く、早くここから逃げなきゃ!)
家庭科室の扉を開け、玄関へと急ぐ。
階段を降りていると、男の子の声が聞こえた。
『ねぇ、お姉ちゃん。遊ぼうよ。』
振り向くと、左側に鏡がある階段に真っ直ぐな目で見つめる男の子の姿があった。
半袖のTシャツに青いズボンを穿いている。
(何なの?こんな時間に。気持ち悪い・・・・・・。)
「・・・・・・悪いけど、アンタに構ってる暇ないの。今、それどころじゃないんだから!」
『何で?何で僕を置いてくの?ねぇ、お姉ちゃん。一緒に遊ぼうよ〜。』
手を伸ばそうとしてくる男の子。
(気持ち悪・・・・・・。チッ!)
イラついて私は叫んだ。
「うるさい!」
パシッと音がして私は、男の子の手を叩いたことに気づく。
男の子はみるみると泣き顔になった。
『何で?何で叩くの?1人は、1人は嫌だよ〜。
・・・・・結局、お姉ちゃんもアイツらと同じなんだ。』
(え・・・・・・。な、何言って・・・・・・。)
『ねぇ、お姉ちゃんも僕と一緒に行こうよ〜。』
「くっ・・・・・!痛ッ!」
すごい力で腕を掴まれ、鏡の方へ連れていこうとする男の子。
私を異世界へ連れていこうとしているんだ。
「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
私は、強引に手を引き離し1階の生徒玄関へ向かう。
「待てぇぇぇぇぇ。待てぇぇぇぇ。」
後ろから追いかけてくる男の子や骸骨や包丁たち。
(もう嫌。こんなの・・・・・こんなの嫌。)
目から涙がこぼれる。
何で私はこんなことに巻き込まれているんだろう。
私、何もしてないのに・・・・・!
「もう、嫌!嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その場でペタンと座り込む。
「誰かっ!誰か助けて!!」
未夢「自分がしてきたことが分かった?」
「あ、あんた達。さっきの・・・・・。」
いつの間にか、追ってくる骸骨達はいなくなっていて、気がつくと、さっき会った2人が立っていた。
叶夢「親友を裏切っていじめて、その上好きな人まで取るなんて、酷いことするね。」
「違う!」
叶夢「何が違うの?」
「私は、私は悪くない!全部、全部アイツのせいなんだよ!アイツなんて、葵なんて居なくなればいいのよ!!」
「ハァ・・・。最低だね。アンタ。」
指をパチンと鳴らす音が聞こえ、私の意識はそこで途絶えた。