人間消去サイト2




なんで、こんなことになっちゃったんだろう。






小さい頃は、みんな仲が良かったのに・・・・・・。




『真凜ね!今日、みんなから凄いねって褒められたんだよ!』





『凄いわね〜。』




『良かったな〜。真凜!』




『うんっ!』





小さい頃の記憶が甦る。




どうしてなんだろう。




「どうしたの?」





「え・・・・・・?」




そこには、白いワンピースを着た若い女の人が立っていた。



長い黒髪が風に揺れて、とてもいい匂いがしてくる。




シャンプーの香りだろうか。




白いワンピースが、更に美しい印象を与えた。




「あ、あの。あなたは?」





「あら、ごめんなさい。私は、レナ・ホワイト。
レジーナって呼んでね。なんだか、あなたがとても寂しそうにしていたから声を掛けたの。」





「そうなんですか・・・・・。ありがとうございます。」





「あなた、女優の椎名 真凜ちゃんよね?今日は、ドラマの撮影?」






「は、はい・・・・・。そうです。」





「そうなんだ〜。ねぇ、真凜ちゃん。何かあったの?」




(心配してくれるんだ・・・・・・。)




優しくしてくれるレジーナさんに私は嬉しくなり、悩みを打ち明けた。




「実は、お父さんとお母さんの仲が悪くて喧嘩ばかり・・・・・。もう嫌なんです。こんな生活・・・。」




「そう。じゃあ、真凜ちゃんに良い物をあげるわ」




「え?」




そう言って、鞄から取り出したのは赤い宝石がついた小さな指輪だった。




「この指輪はね、願うと何でも1つ消すことができるものなの。そう、なんでも良いの。それが、たとえ人間でもね。」




優しいけど、どこか不気味な声に私は背筋が凍った。




(この人は、一体何者なの・・・?)




「真凜〜!」





(梨香の声だ!)





「それじゃあ。撮影、頑張ってね。」





(あ!指輪! )




返そうと思い、私は振り返った。





「あれ・・・・・・?」




レジーナさんの姿は、何処にもなかった。














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