人間消去サイト2


「カットカットーー!梨香ちゃん、全然気持ち入ってないよ!」




「す、すみません!」




「仕方ない。一旦、休憩。」






「ハァ・・・・・。これで何回目だよ。」





「正直、真凜ちゃんの方が向いてるんじゃない?」




「あー。それ、前から言われてるよねー。」




「今から変更できないの?」




「できるわけないだろ。大体、主人公を梨香ちゃんにしようって言ったの、監督とマネージャーだから。」




「え?そうなの?」




「うん。なんか会社の意向で決まったらしいよ。」





「マジか〜。」





「まぁ、それから仕方ないけどさ〜」




スタッフさん達のヒソヒソ声が聞こえてきた。




梨香も気づいているのかとても悲しそうな顔をしている。





(何で?梨香も頑張ってるのに・・・・・・。)




パリーンッ!






ガラスの割れた音がして、私達は振り返った。




見ると、床にはガラスが飛び散り、衣装に水がかかった澪がいた。






「すみません。滑っちゃいました。アハハ・・・」





「こ、困るよ澪くん!大事な衣装なのに!」





「変わりあるか探してきて!」




「は、はい!」




さっきまで愚痴を言っていたスタッフさん達がバタバタと慌てていた。





「も〜。無茶しすぎ!空気変えるためにわざとやったんでしょ?」




私は、澪の所に行ってタオルを渡した。







「ま、俺はこのくらいしかできないからな。」






「何それ〜。アハハハハ!」






カシャッ!






シャッター音がする方を見ると、梨香がスマホを向けてニヤリとイタズラに笑った。





「お似合いだねぇ〜。お二人共!」





真っ赤になる私達。





冷やかす梨香に私は、即座に否定した。






「な、何言ってんの!私達、そんな風には!」





「も〜!照れちゃって〜。可愛いなぁ。真凜は!」




「酷いよ〜!」




アハハハハハハ!!

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