人間消去サイト2


「真凜!真凜!」




「どうしたの?お母さん。」




自室にいた私にお母さんが血相を変えて入ってきた。





「真凜!大変よ!早くリビングに来て!」




リビングに行くと、お父さんもいて、テレビには今日の緊急ニュースが映し出されていた。




(え!?)




『昨日未明、人気子役の桐生 澪くん(14)が暴行される事件が起きました。澪くんは、今現在入院中で、警察は、逃げた犯人の行方を追っています。』





「嘘・・・・・。澪が?ねぇ!澪は?澪の容態は!?」





「意識不明の重体らしい。今でも、眠ったままだそうだ・・・・・。」





(そんな・・・・・・。)




「原因は、これよ。」




スマホで見せられたのは、笑顔で映る私と澪の姿だった。




(これ・・・・・私がタオルを渡した時の写真。)





「これがSNSで炎上していたのよ。全く、熱愛発覚なんて書かれて・・・・・・。一体誰が。」




「これ、梨香が撮ったやつ・・・・・・。」





「何ですって・・・・・!あんな無名女優のせいで、真凜のイメージがガタ落ちじゃない!!私のやってきたことは何だったのよ!!」





「仕事が減って、ギャラが減ったらどうしてくれるんだ!!」





「え・・・・・・?お父さん、お母さん?」





「大体、あなたは真凜が売れてから変わってしまったわ!いつもいつもお金をせびりにきてパチンコにギャンブル三昧!」



「な、何だよ!お前だって真凜が売れてきてから鬼みたいになったじゃないか!文句ばっかり言いやがって!」




「何よ!私が悪いって言うの!?」




(どうしよう・・・・・。まるで、2人が悪魔みたいになってく・・・・・。)




「地位と名誉が!」



「金が!」




(もう・・・こんな2人、見たくない!!)




私は、指輪に向かって願おうとした。




だけど・・・・・・。



(でも、出来ない・・・・・。これでいなくなっちゃったらどうやって暮らせばいいか分からない。)





消すのは、やっぱり嫌だ。




使っちゃったら、2人を裏切ることになる。





私は、聞こえてくる雑音に耳を塞いだ。




(どうすればいいんだろ・・・・・。)

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