人間消去サイト2
数日後、私は澪がいる総合病院に来ていた。
「澪?」
病室の扉を開けると、ベッドの横に立ち尽くしている梨香の姿があった。
「あ、梨香。来てたんだ。」
「うん・・・・。」
「どう?澪は。」
「変わんないよ。ずーっと眠ったまんま。」
「そう・・・・・・。」
「まさか澪を襲うだなんて、アイツら・・・・・・。」
「え・・・・・?」
「あ〜。アンタにはまだ話してなかったね。実はね、私、地元で有名な不良グループと深〜い関わりを持っててぇ〜。それで撮った写真をSNSに載せたら大炎上しゃちゃって!アハハ!アンタがいなくなれば良いのになぁ〜ってずーっと思ってたんだよね〜。」
(やっぱり、梨香がネットに流したんだ!)
「ちょっと待って!何でそんなこと!!」
「チッ。うっせーな!!」
「キャ!」
梨香に押され、私は床に倒れ込んだ。
梨香の足が私のお腹を踏みつけた。
「ぐはっ!」
「良いよね〜アンタは。昔っから天才子役って言われてチヤホヤされて!ウザイんだよね〜!役も良いやつ貰えるしさ!」
「ずっと、そんな風に思ってたの?」
「そうだよ。これで人生終わりだね〜。真凜♪」
梨香の笑い声が響く。
(酷い。ネットに流して、澪まで襲わせて!)
もう、許せない。
そろそろ限界だ・・・・・・。
「許せない・・・・・・。」
「え?何〜?聞こえなーい!」
「許せない!澪を襲わせて、ネットにも払いて!」
私は、怒りに燃えていた。
鋭い目を梨香に向ける。
「え?ちょ・・・・・・マジ?」
「そうだよ。アンタを消せば!」
「ま、待って!悪いのは澪なの!!」
(え・・・・・・?)
「それ、どういう事!?」
「れ、澪もね。アンタにムカついてたの。みんなから期待されてチヤホヤされてるのがムカつくって。
だから、アンタを落とし入れてネットに流せば、真凜を蹴落とせるって。そしたら、俺は更に人気者になれるって!」
(そんな事・・・・・・澪が?)
「大体さ、アンタのせいだよ!!アンタがいるから私は、いつも半人前!アンタなんて消えればいいんだ!」
(梨香・・・・・・。)
じゃあ、お父さんとお母さんが変わってしまったのも梨香と澪に恨まれていたのも、全部私のせいだっていうの!?
だったら、私はこの世界にいないほうがいい。
この世界は、腐ってる。
この理不尽な世界から消えてやる。
「分かった。バイバイ梨香。」
「え・・・・・・?」
そして、私は願った。
『私を消してください・・・・・・。』
そう願った瞬間、目の前に白い光が見えた。