カラフル
「……」


玄関のドアが閉まっても、しばらくぽかんとしたまま。

あの日、出会ったのがわたしじゃなかったら。今、順と一緒にいるのは、きっとわたしじゃなかった。
たまたま偶然が重なって、流れでこうなっただけだから。

別に、わたしじゃなくても良かったんだ。


「痛ってー!」


腹が立ったので、コタツのなかで順の足をおもいっきり蹴ってやった。


「勝手に来ちゃったんだって。昨日あげたコタツ見せろってうるさくて」
「ふーん!」


キャバクラのお姉さん? と、やけに仲いいんだね!

脛を押さえて悶えている順の脇で、わたしはお菓子を爆食いしてやった。






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