わたしを光へ。
Ⅲ
白鳳に姫が出来たという噂は瞬く間に広がった。
常栄の生徒でさえその会話をしていたのだから、白鳳はここら辺の人に絶大な影響力を持っている。
白鳳は決して誰それ構わず暴力を振るうような悪い族ではない。
でも、かつての私がそうだったように暴走族はそういったイメージを持たれることが多い。
白鳳の皆んな、特に幹部は人前に出ないから一部の人間以外に顔は知られていないらしい。
もちろん常栄学園の人たちにもバレていない。
まさかこんな所に白鳳のメンバーがいるなんて、想像すらしないだろう。
だから私がいくら洸や氷室くんと関わろうと、白鳳の姫だという噂は出てこない。
私の存在を唯一知っていた黒燐とかいう族は、あのとき彼らの手によって潰されてしまったし。