わたしを光へ。
隣に座る花那からは彼の顔が見えないから、花那はただ私に嬉しそうに笑顔を向ける。
可哀そうなくらいに蒼白に、顔を歪める男。
まるで、何か信じられない事実を突きつけられたかのような。
「加賀秀人くん。私の彼氏です」
照れながら紹介をする花那。
「初めまして。姉の美月です」
私の声にやっと正気を取り戻した様子の加賀くん。
「姉妹…」
ポツリ、そう呟く。
花那が無理矢理連れてきて、何も聞かされていなかったのだろうか。
「秀人くんはね、私の二つ上だからお姉ちゃんと同い年なんだよ」
「病院でお母さんを待ってるときに声かけられたんだ~っ」