わたしを光へ。

「もしバイクに乗っている時に倒れたらどうするの?」


「大丈夫だよ。しばらく倒れてないし」


この言い様だと、何度かバイクに乗っているんだろう。


「駄目。約束して、もう乗らないって」


いくら花那に甘くても、花那を危険に晒すことはできない。


「~っ!お姉ちゃんの馬鹿!」


彼との関係を邪魔されたのが許せなかったのか、花那は怒ってトイレに籠ってしまった。


それにしてもこの男は本当に花那の彼氏なのか。


彼女が怒って出てこないのに、心配する素振りすら見せない。


仮にも彼女の姉の前だっていうのに。


ただ一人、何かを考えているようだった。


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