わたしを光へ。
「私は何も隠していない」
数秒力強い美月の瞳が洸のそれと重なった後、先に逸らしたのは洸だった。
「強情だな。でも美月、浮気は許さないよ」
洸は、
ここまで分かっていた。
初めて失うのが怖いと思った存在。
私は、花那のために洸を捨てられるの...?
洸に出会う前の私なら、喜んでこの身を捧げていただろう。
でも今は。
洸を失うのが怖いだなんて。
「全く。泣くなら初めからそんなことしなければいいのに」
洸は、声も出さずただ涙を流す私を優しく抱きしめてくれた。
「早いうちに片付けろよ」