わたしを光へ。


キスをしたことは事実なのだ。



それを、言える筈がない。



今迄必死に隠してきたのだから。



「花那になんて、言えないよね」



嗚呼、花那。



怖い。この男は私を脅している。



彼の言う事を聞かなければ私としたことを花那にバラすのだろう。



それだけは避けたかった。



花那が傷付くなんて、あってはならない。



「やめて。花那には言わないで」



だから、共犯者。



私たちは2人、この事実を隠す。



「言わないよ、共犯者だからね。美月が良い子にしてる限りは安心しなよ」



「どうしてこんなことをするの」



もう私には彼のしたい事が全く分からなかった。



脅して何になる?


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