わたしを光へ。


お店を出ると、細い脇道に連れて行かれる。



こんな所で何かされても誰も助けに来ないだろうな、なんて他人事のように思った。



「加賀くん、花那のこと好きじゃないの?」



加賀くんは私の制服のリボンに手を掛けゆっくりと外す。



「好きだよ、彼女なんだから」



シュルリ、リボンが彼の手によって解かれた。



「最低ね」



「俺が最低なら、美月も同じだよ。ねえ、これ、何?」



加賀くんの手には、洸がくれたネックレスが握られていた。



「俺の前ではこれ付けてこないで」



鎖が千切れる寸前まで引っ張られる。



首の裏がヒリヒリとした。



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