わたしを光へ。


「何も言わずに一人で来ちゃってごめんね」



そう謝ると、いきなり古賀くんが私の携帯を奪い取った。



「美月ちゃんは俺が守ってるから安心しろっ」



そう言って直ぐに携帯を返される。



そんなことを言って、洸に絞られる未来が見えてしまうよ。



「とりあえず今から氷室と向かうから」



それで電話は切られた。



「また洸に怒られちゃうよ?」



「いいの!洸はいつも美月ちゃんを独り占めしてるんだから」



独り占めと言っても、ここ一週間は殆ど一緒に居なかった。



家まで一緒に帰る、その時間しか二人でいることは無かった。



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