わたしを光へ。
「あれ、美月一人?古賀は?」
そのときの美月はまるで、全ての感情を失ったようで。
瞳には何も映していなかった。
けれど流石は美月で、後ろからかけられた洸の声に振り向くまでには、いつものように戻っていた。
「下にいなかった?」
そして美月を見る洸の目もいつもと同じだ。
「あいつ、美月は俺が守るとか言っといて結局側に付いてないのかよ」
本当は私に気を遣って部屋から出て行ってくれたんだけど、今は古賀くんに甘えさせてもらおう。
「もう倉庫に来れるようになったのか?」
ずっと何かしらの理由をつけて来るのを拒んでいた私にきっと、いや絶対、不信感があった筈だ。