わたしを光へ。
「あら、美月。帰ったの?」
ダイニングにはお母さんが座ってコーヒーを飲んでいた。
「うん。ただいま」
「聞いた?花那、告白されたんですって。良かったわあ、本当。元気になってくれて」
花那はお母さんの向かいに座り、今も嬉しそうに笑っている。
小さい頃から体が弱かった花那は、入退院を繰り返した。
つい最近もまた入院して。
だからか、両親は手のかかる花那を溺愛した。
多分私にも愛はあるんだろうと思う。
だけど、やっぱりその差は歴然で。
私は、愛が欲しくて、もっと私を見て欲しくて
テストで百点を取ったり、絵のコンクールで入賞したり。
努力をした。この叫びが届けば良いのにって。
結果を残したとき、両親は必ず褒めてくれた。
すごいね、自慢の子だって。
私はそれが嬉しくて、嬉しくて。
だから取り続けた。百点も、賞も。