わたしを光へ。
7
Ⅰ
元から、笑顔が多かった花那だけど加賀くんと付き合ってからは更に可愛くなった気がする。
一時期落ち込んでいた時もあったけど、最近の花那はとても楽しそうだ。
「ねーねー、お姉ちゃんはもう洸さんとキスした?」
キラキラした、丸い大きな目がこちらを覗く。
まだ癒えてない唇の傷の疼きには、気付かないフリをした。
「うん、まあ」
「そうだよね〜。秀人くんはさ、私を大事にしたいからまだしないんだって」
そう言う花那の様子はでも、悲しそうではない。
「でもいいの。最近はよく私と会ってくれるし、ギュってしてくれるだけで、満足」
幸せそうに笑う花那には、加賀くんが必要なんだって、改めて思わされた。