わたしを光へ。
Ⅱ
いつもより大分多い数の人たちが、机を囲んで座っている。
「最初に、彼女を紹介したい」
大勢の視線が集まる中、私と洸だけが立って話し始める。
「白鳳の姫になった、櫻木ーーー」
「すいません!遅れました」
洸の声にダダ被りして誰かが入って来た。
皆んなの視線がそこに集まる。
その誰かが顔を上げたとき。
心臓が破裂したかのように、鼓動が激しく。
指先まで血液が抜けてしまったかのように、感覚が冷たく。
今この瞬間、私はこの衝撃を隠せてはいないと、確信を持って言える。
だって、可笑しいでしょう。
どうしてここにいるのよ。
ーーー加賀くん。