わたしを光へ。


その一言と笑顔で場の雰囲気は元に戻り、円満に会合は終わった。



「やっぱり大丈夫だったろ?みんな美月のこと認めてくれた」



他の族の人が帰り支度をしているとき、洸が小声で話しかけてきた。



「まー、花那ちゃんの彼氏がいたのにはびっくりだったけどな」



急に触れられたワードに心臓が音を立てる。



「ね、本当に。私も知らなかったから」



大丈夫。洸は何も知らないし、疑っていない。



そう自分に言い聞かせるしかなかった。



皆んなが帰るのを幹部全員で見送っていた。



加賀くんも何もしてこず、このまま平穏に居なくなってくれる。



そう思った矢先。


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