わたしを光へ。
次の日の朝、靴箱で氷室くんと偶然会った。
相変わらず制服を着崩している彼。
きっと何度言っても彼はそのままなんだろうけど、私も注意するしかない。
「氷室くん、制服直してね」
言われ慣れたのか、はいはいと言いながら素直に直す。
「もう足大丈夫なのか?」
「うん。昨日病院行ったから」
流れのまま、一緒に廊下を歩く。
そして教室に入ったとき。
クラスの過半数が私たちの方を向いた。
そして目を逸らしたかと思えば始まるヒソヒソ話。
なに?これ。
氷室くんもこの異様な光景に気付いたようで、私と顔を見合わせる。
「やっぱりそうなんだよ」「だから私見たって言ったじゃん」
なんて、ヒソヒソでは収まりきらなかった会話がチラホラ聞こえる。