わたしを光へ。
「駄目だよ美月、ちゃんとしないと変に思われるよ」
皆んなから十分に距離が離れ、会話は聞かれることはないだろう。
皆んなが見れるのは、加賀くんの表情だけ。
私が見たことのない、笑顔の彼。
「まさか美月が此処の姫だとは思わなかったけど。でも都合良いね。これで気楽に会える」
気持ち悪い。
こんな、完璧に笑って、何を考えているんだろう。
「美月がいつも触らせてる男って、ここの総長でしょ?ああヤバイな、何かしちゃいそう」
表情を変えることなく彼はサラリと私を脅す。
「大丈夫だよ怖がらないで。美月が俺のものでいてくれれば何もしないよ、まだね」
楽しそうにそう言って。一体何が楽しいの?