わたしを光へ。
Ⅲ
ソファーに寄りかかり、深く息を吐く。
怒涛の一日だった。
つまり加賀くんは、白鳳と組んでいる赤黎の総長で。
偶然私と此処で会ったと。
信じられるかそんなの。
だけど恐らく彼は私なんかより早くこの世界にいた。
もう私に逃げ場は、ない…。
「どうした?美月」
洸が部屋に入って来て、私の隣に座る。
そのまま肩を抱き寄せて、頭を撫でられる。
心がじんわりと温かくなるのを感じる。
「洸…、…ちょっと疲れちゃっただけ」
一定のリズムで触れる温かい手が心地良い。
「…なんか俺、今すごい幸せ」
その言葉に、洸の方を向くと至近距離で目が合う。