わたしを光へ。
何かを察している洸もきっと不安を抱えている。
それなのに、私は何も声をかけることが出来ない。
問題の張本人は私なのだ。
その場しのぎの軽い言葉なんて言える筈がなかった。
行き場のない黒い感情。
この関係に、終末なんて来るのだろうか。
「花那ちゃんさ、」
急に触れられる言葉に、不意に体がビクつく。
緊張感が解けてうっかり反応してしまった。
「ごめん、何?」
その様子を変に思ったのか、洸は私に向き合った。
「やっぱり、何かあった?」
この雰囲気、息が止まりそうになる。
でもこの聞き方。多分この間の浮気を疑われた件はもう無いんだろう。