わたしを光へ。
助けて、
という言葉が喉まで出かかる。
今日、加賀くんが花那の彼氏だということを知った洸は、加賀くんを信用するだろう。
それでなくとも赤黎の総長なのだ。
きっと微塵にも思っていない。全ての元凶が、彼だとは。
洸に打ち明けたい。救ってほしい。
言えない。真実を知られたくない。花那にバレたくない。
何度この思考をループしただろう。
何が最善かなんて全く分からない。
「美月?」
洸の手が、私の両手を握りしめる。
この優しい目と、声を欲していた。
それ故に、自分が不甲斐なくて、汚らわしくて。