わたしを光へ。
俺はすぐに走り出した。
倉庫を出ても、美月の姿はもうない。
電話をかけても出ない。
美月の家まで走らせるほどに、俺は酷く焦っていた。
空に輝く月を見る余裕すら無く。
美月の家には灯りがついていて、一先ず安心する。
息切れなんて直す暇もなく、チャイムを押した。
「遅くにすみません。美月、帰ってきてますか?」
出て来た美月の母親に、口早に問う。
「あら洸くん。美月なら帰って来てるわよ?」
その言葉に心から安堵する。
とりあえず、家にいてくれるなら安心だ。
「様子とか、いつも通りでした?」
「ええ、特に変わりなかったと思うけど…上がっていく?」