わたしを光へ。
そのうち、呆気にとられてまだ教室の扉で突っ立っている私たちに一人の女子が近づいて来た。
その様子をクラスのみんなが静かに見守っている。
本当に何なのこれ。
心当たりなんてこれっぽっちもない。
「さ、櫻木さん、ってさ…」
ものすごく言い辛そうに私に話しかける。
「うん?」
それに私は条件反射で笑みを作った。
その女生徒は私の隣、氷室くんを一瞬見て、勢いのままこう言った。
「氷室くんと付き合ってるのっ…?」
面食らう私と氷室くん。
あまりに予想を上回って、すぐには返事が出来なかった。
すると気付けば私の肩には氷室くんの腕が。
一体何をしているのか意味が分からなくて氷室くんを見ると意地悪い笑みを浮かべていた。
「だったらどうする?」
その整った顔に浮かぶ笑みにみんなは顔を赤らめてクラス中に悲鳴が響いた。