わたしを光へ。
「おい、洸!ちょっとこっち来い」
「なんだよ朝から」
登校して早々、氷室がわざわざ俺の教室に呼びに来た。
真剣な顔をして歩く氷室の後を追いかける。
「どうしたんだよ急に」
俺の問いかけには答えずに、自分の教室まで来た氷室は、顎でその先を示した。
つられてその先を追うと、
「美、月…?」
明らかに様子が違う美月の姿があった。
恐ろしさを感じるほどの、無。
禁錮を犯した天使が羽をもがれた様な。
それでいて艶やかで、ずっと見ているのを躊躇われる。
「ヤバイだろ、アレ。何があったんだよ」
氷室が眉をひそめて言う。