わたしを光へ。
ギリギリの均衡を保っていた美月を、俺が、壊した。
俺が思っていたよりずっと美月は限界間近で、俺に依存していたんだ。
そして、そんな美月を俺があの一言でバラバラに破壊してしまった。
「美月…、俺が分かるか?」
ゆっくりと美月に近付き、声をかける。
何も映していなかった美月の瞳が俺を捉えると、一瞬にして怯えに変わった。
美月の手を握っても震えは強まるばかりで、どうしたらいいかわからない。
これが、破壊した代償…。
「美月っ…!」
「よせ、洸。逆効果だ」
美月は変わらず怯えた目でこちらを見つめる。
俺は握っていた美月の手を離した。