わたしを光へ。
「ごめんな美月、俺が悪かった。美月を信じてる。ただ、打ち明けてほしかっただけなんだ」
美月の目はまだ変わらない。
「美月から離れるなんて無理だ。耐えられないんだよ」
「俺のこと、もう一度信じてくれないか?」
いつの間にか教室には2人きりで、静寂が訪れる。
長い時間逸らさなかった怯えた瞳が、本当の意味で俺を捉えた気がした。
美月は一度目を閉じて、再び俺に向き合った。
そのときの瞳を、俺は一生忘れないだろう。
俺の全てを震え上がらせた瞳を。
「洸が信じない私なんて要らない」
真っ先に美月へ駆け寄って抱きしめた。
小さな手で、か弱い力で、抱きしめ返してくる美月が愛おしく感じられる。