わたしを光へ。
Ⅱ
花那が指定した喫茶店は、すごく混んでいて見える限りに花那は居ない。
店員さんが寄って来たので、待ち合わせですと伝える。
すると既に伝えられていたのかすぐに案内された。
でもそこには花那は居なくて。
「花那は何処にいるの?」
加賀くんが一人で座っているだけだった。
「早かったね、美月。花那には先に帰ってもらったよ」
顔を上げた加賀くんと視線がぶつかる。その目が細く歪んで、私をジッと見た。
「美月…、何かあった?」
どうして私の周りにはこうも勘の良い人ばかりいるのだろう。
「私は花那に呼ばれて此処に来たのに、どうして?」
「相澤と何かあった?」
お互いが、お互いの質問を譲らない。