わたしを光へ。
「氷室くん、何言ってるの?」
「いいね。櫻木の動揺した顔を見れるなんて」
騒いでいるクラスメートは話している私たちのことなんて最早見ていない。
私は肩に置かれた氷室くんの腕を無理矢理降ろした。
「あのね、みんな、本当に違うの」
誤解を解こうと呼びかけるが、その声は通らない。
どうしてこんな噂が。
噂が立つほど氷室くんと親しくした記憶はない。
そんな私を見てか、一人の女子が私たちに説明をしてくれた。
この前、放課後の教室に二人でいるところを誰かに見られ、まずそこでどんな関係なんだって疑われたらしい。
そして昨日。同じ授業を二人とも欠席したことによって、二人で会っていると思われ、付き合ってると誤解されたと。
こんな些細なことで付き合ってると思われるなんて、たまったもんじゃない。
「お願い聞いて、違うの」
ダメだ。
みんなが騒いでいて、全く聞いてくれない。
そう諦めそうになったとき、