わたしを光へ。
「可哀想な美月。こんなに傷付いて…」
「やっぱり美月には俺しかいないんだよ。俺が一番美月のことを分かってあげられる」
この男のペースに飲まれちゃいけない。
それは分かっているのに、言いたいことが沢山あってそれを止めることが出来ない。
「何を…元はと言えば貴方が私に手を出したから!」
「美月落ち着いて。場所を変えようか」
加賀くんに肩を抱き寄せられて店を出る。
痛いくらいに私の肩を掴む加賀くんは、私を逃すことを許さない。
俯いて唯足だけを進めて連れてこられたのは、前に加賀くんに呼び出されたあの怪しげなお店だった。
この間の店員はいないみたいだ。