わたしを光へ。

加賀の第六感の知らせは、恐ろしいほどタイミングが良かった。



今日の放課後のあの時間は、美月の心に空いた穴を洸の愛で埋めるには短すぎた。



まだ完全に癒えていない傷を、加賀が満たすには絶好のチャンスだった。



「本当に可愛い。ねえ美月、俺のものになって」



虚な瞳で美月は加賀を見上げた。



傷を負った美月に、加賀は酷く加虐心を煽られる。


「堪らなく貴方のことが欲しい」



愛しそうに見つめ、甘美な言葉を投げかける加賀は、もしかしたら洸よりもその中毒性は強いかもしれない。



「なんで、そんなことが言えるの?花那は…?」



加賀くんは緩くかぶりを振る。



< 192 / 301 >

この作品をシェア

pagetop