わたしを光へ。
「でも後悔はしていない。遅かれ早かれ、美月は俺の元へ来る」
「…は、」
しおらしく、あたかも反省しているかのような口振りで話すから、今までのことを悪いと思っているのかと思ったのに。
掴まれている両手を振り切って、強い瞳で見上げる。
「私は、心まで貴方に捧げはしない」
「心なんて後から幾らでもついてくる」
さらに反論しようとすると、加賀くんが上に乗り掛かってきて押し倒される。
両手をそれぞれ顔の横で押さえつけられて身動きが取れない。
「加賀くんっ…!」
「これで聞くのは最後にする。本当に俺の所に来る気はない?」
お互いの顔の距離、数センチ。
加賀くんの目に私が映っているのが分かる。
息がかかって、背筋がゾクリと震えた。