わたしを光へ。


「ふざけんじゃねーよ」


私を氷室くんから離すかのようにフワッと後ろから抱きしめられる感覚。


その人は確かに怒りを含んだ声で、クラスのみんなを黙らせた。


「相澤くん…、なんで」


どうして彼がここに居て、私を抱きしめているのか訳が分からなかった。


昨日の今日で彼が私にまさか関わってくるなんて。


「美月は俺の女だ」


そう告げられた言葉に、私もクラスメートも、氷室くんでさえ驚き声が出せない。


数秒、みんなが固まり。


途端に先程よりも大きく響くみんなの悲鳴。


氷室くんのさっきの言葉は冗談だと思えるけど、相澤くんまでこんなことを言うなんて意味が分からない。


その訳を問い質すために相澤くんを廊下に連れ出した。


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