わたしを光へ。

ここは白鳳の倉庫で、間違いなく分が悪いのはそっちなのに。



今更裏切りの事実をバラして何になる。



「いや、美月は必ず俺のところに来るんだよ」



絶対的な自信と、こちらを真っ直ぐに見据える瞳に、無意識に足が竦んだ。



まるで俺が間違っているかのような錯覚に陥ってくる。



「じゃあ今日はこれで帰るよ」



俺の反応に満足したのか、ドアに向かって歩き始める。



最後は俺に反論する隙など与えなかった。



漸く異変に気付いた氷室が丁度ドアを開ける。



「失礼しました。白鳳の皆さんにもよろしく」



振り返ることなく出て行く。



俺のことなど全く相手にしていないみたいに。