わたしを光へ。
Ⅱ
加賀くんがまたねと言った日から一週間が経った。
あれから音沙汰はない。
日々は平穏に過ぎているように思えた。
唯一つあった異変は、洸が昨日顔に傷を作って学校に来たこと。
それは少なくとも私が見た限りでは初めてのことだった。
私の知らないところで何かが起こったとしか思えない。
「氷室くん。ちょっといいかな」
休み時間、机で突っ伏して寝ていた彼に声をかける。
まあ、休み時間からじゃなくて授業中からずっと寝ていたんだけど。
寝起きの機嫌悪そうな顔でこちらを見た。