わたしを光へ。



加賀くんがまたねと言った日から一週間が経った。



あれから音沙汰はない。



日々は平穏に過ぎているように思えた。



唯一つあった異変は、洸が昨日顔に傷を作って学校に来たこと。



それは少なくとも私が見た限りでは初めてのことだった。



私の知らないところで何かが起こったとしか思えない。



「氷室くん。ちょっといいかな」



休み時間、机で突っ伏して寝ていた彼に声をかける。



まあ、休み時間からじゃなくて授業中からずっと寝ていたんだけど。



寝起きの機嫌悪そうな顔でこちらを見た。



< 209 / 301 >

この作品をシェア

pagetop