わたしを光へ。


もうこうなってしまっては、洸と話すしかない。



丁度、美月のクラスの前を洸が通り過ぎる。



洸はこちらを見ていて、確かに目が合ったのに一瞬気まづい顔をすると何の反応もなくそのまま行ってしまった。



美月は自嘲気味に笑う。



もう私たちは壊れてしまったのかもしれない、と。



放課後、私は洸が教室から出て来るのを待っていた。



「美月…」



その姿を見つけた彼は狼狽えた。



加賀くんと殴り合った傷が痛々しく一昨日の出来事を主張する。



「私からも、話したいことがある」


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