わたしを光へ。
「なんで…、私のこと嫌いにならないの?他の人とキスだってしたのに…」
洸は少し体を離して、私の顔にあるマスクを外した。
ジッと見られる唇。見られてしまった、傷。
加賀くんが付けた傷はまだ癒えていなかった。
「正直、嫉妬で狂いそうになる。この傷も、唇ごと噛み切ってしまいたい」
そう言いながら見せる激情は、私を怯えさせるよりも先に、ゾクゾクとした扇情を呼び起こした。
顔を近付けた洸は、言葉とは裏腹に優しく口付け、そして傷を舌で執拗に舐めた。
「んっ…洸、!」
至近距離でバチリと合った彼の目は、色欲に塗れ私をも引き摺る。