わたしを光へ。



私と相澤くんが付き合ったという噂は瞬く間に広まった。


生徒会役員で有名な櫻木美月と、端正な顔で学校中で人気の相澤洸。


学年に収まらず全校生徒が知るビックカップルの誕生に、数日が経っても話題はそればかり。


どこを歩いていても顔を見られている気がする。


唯一落ち着ける場所は生徒会室だけだった。


それなりに聞かれはするが、不躾な視線を当てられることはない。


「でも櫻木さんってああいう人が好みだったんだね」


私の隣で作業をしていた石川くんが言う。


それに私が曖昧に微笑んでいると、彼はさらに続けた。


「相澤くん、チャラいじゃん。不良ぶってさ。氷室くんみたいなのと連んでるし」


「石川くん」


石川を見る美月の顔は、恐ろしいほどの無表情。


漆黒の瞳に気圧される。


そんな美月を見て、石川は口を噤んだ。


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