わたしを光へ。
フッと息を吐くように。
抑揚なくただ静かに告げた美月の様子は、冷静に見えるけれど。
洸はそんな美月が血塗れた涙を流しているように見えた。
傷を負ったのは花那の筈なのに、それ以上に美月が傷付いているようで。
「美月の所為じゃないよ…?」
洸は美月から、花那が自傷した理由など聞いていないのに、口からそんな言葉が出ていた。
洸がその胸に私をすっぽりと覆い隠す。
大きな手が私の頭を優しく撫で。
うっかり癒されてしまいそうになる。
今辛いのは花那で、それを引き起こしたのはきっと、私なのに。
この時間ずっと、洸は優しく撫で続けてくれた。