わたしを光へ。
Ⅳ 相澤 洸side
「洸!洸!」
隣の教室に行こうとしていた正にそのとき。
氷室が慌てた様子で俺を呼びに来た。
なんだか既視感のあるこの光景。
無意識に、自分の顔はこわばっていた。
「美月が…!」
尋常じゃない氷室の様子に、急いで隣の教室に走る。
壁を隔てたすぐ隣。
俺の目に飛び込んできたのは、真っ白な顔でスマホの画面を見つめる美月。
俺が来た音を聞き付け、ギギギと効果音が付きそうにゆっくりとこちらを向いた。
呆気なく壊れてしまいそうな脆さ。あと一粒何かが落ちればそのダムは溢れてしまう。
「何があった?」
明らかにおかしいその様子。