わたしを光へ。

開かれているのはメールの受信画面。


本文にはたった一言。


『代償』


そう書かれていた。


送信元は誰だか分からない。


「…多分、加賀くんからだと思う」


代償って、花那ちゃんが?


美月が手に入らなかったから、花那ちゃんを傷付けたのか?


いや、花那ちゃんは加賀に振られて自傷をしたんだ。


そこまで考えて、俺の頭に酷く嫌な考えが浮かんだ。


「加賀って、赤黎のか?お前ら何隠してんだよ」


下劣で、最低な策略。自分自身で手を下さずとも目的を達成出来ると確信している。


そしてそれは、加賀ならやりかねない。


「悪い氷室、後で話す。とりあえず美月を保健室に運ぼう」


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