わたしを光へ。

未だに震えが止まらない美月を抱えて、保健室に連れて行く。


今日はちゃんと保険医が居て、ベッドに横になった。


「氷室、倉庫に行って様子見てきてくれないか」


加賀が赤黎を連れて白鳳に来ている可能性も無いとは言い切れない。


意味が伝わったのか、氷室は急いで保健室を出て行った。


怯える美月をグズグズに甘やかしていると、こんなときだっていうのに俺は確かに幸せを感じていた。


自尊心が高く、その高潔な魂を誰にも許さなかった美月が。


本当に俺の手にあるんだと実感したから。


おそらく美月に対する執着心は俺も加賀も大差ない。


それでも俺だって美月を手放す気はない。


いくら加賀が狡猾な手口を使ってきたって、渡すものか。

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