わたしを光へ。

美月が加賀のものにならなかったから、花那ちゃんを傷付けた可能性が高い。


それが自分の所為だと知れば美月は、花那ちゃんの為に喜んで身を差し出すだろう。


今更そんなことしたって現実は何も変わらないのに。


「でも私が行かなきゃ…」


罪という枷で美月を縛りつけ、無理矢理に奪おうとする、強かな策略。


「美月が行っても花那ちゃんは喜ばない。なんの解決にもならないんだよ」


俺の言葉に美月は目を閉じ、重い息を吐いた。


「…うんざりする」


心底ウザそうに、静かに言葉を吐き出す。


「私は花那の為に何も出来てない」


それでも、反抗しなくなったのは、俺の言うことを聞く気があるということだ。

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