わたしを光へ。
これは関わっちゃいけないと察し、ひたすら目を合わせないように早足で通り抜けようとした。
が、やはりそんな簡単にはいかなくて。
「やーっとお出ましか。待ちくたびれたよ。櫻木美月さん?」
私の祈りは通じず、呆気なく話しかけられてしまった。
どういう訳か、私の名前を知っていた男たち。
ただのナンパじゃないってことだ。
「なんの用ですか」
「ちょっとついてきてほしいんだけど」
目的も分からないのに、知らない人について行く人がいるのか。
「嫌です」
そう言うと目の前の男は、至極楽しそうに笑った。
「これは確かに…惚れる。でも、嫌だって言うなら力尽くで連れて行くしかないね」
途端に、男たちに囲まれる。